インターネット上の情報は、企業や個人の評価を大きく左右します。
検索結果の上位にネガティブな記事や古い情報、事実と異なる内容が表示されていると、信頼低下や機会損失につながるケースも少なくありません。
こうしたリスクへの対策として注目されているのが「逆SEO対策」です。
逆SEO対策は、検索結果に表示される情報のバランスを整え、正しい評価につなげるための施策ですが、方法を誤ると検索エンジンのガイドライン違反となり、かえって状況を悪化させる可能性もあります。
この記事では、逆SEO対策の基本的な考え方を押さえた上で、代表的な手法や避けるべき施策、実施時の注意点についてわかりやすく解説します。
逆SEO対策とは?
そもそも逆SEO対策とは、どのような対策方法なのでしょうか?
まずは逆SEO対策の基礎的な部分やSEO対策との違い、逆SEO対策による効果について紹介します。
逆SEOとは?
逆SEO対策とは、特定のサイトの検索順位を下げることを目的とする施策を指します。
総務省の「令和7年版 情報通信白書」によると、2024年のインターネット利用率は85.6%にも上っており、13歳~69歳までの各階層で9割を超えていることがわかっています。
人口の8割以上がインターネットに触れている環境において、企業はネットを活用したマーケティング戦略が重要と言えます。
参考:令和7年版 情報通信白書
ネットを活用したマーケティング戦略により売上やブランディング力の向上などを目指すことが可能ですが、逆に企業やブランドにとってネガティブな情報が書き込まれていると、消費者の消費行動に影響する可能性があります。
しかも、それが悪質なデマだった場合、企業は風評被害を受け、売上やブランドにも様々な悪影響が出てしまう恐れがあるのです。
実際、株式会社ブランドクラウドが実施した「ネガティブ情報に関する意識調査」によると、ネガティブ情報が後からデマやフェイクニュースといった風評被害だったという経験がある人は、34.1%にも上っていました。
参考:株式会社ブランドクラウド「【ネガティブ情報に関する意識調査】不祥事やスキャンダルなどネガティブ情報に半数が関心、さらなる情報検索もしがち、ネガティブ情報が風評だった経験は3割強におよび消費行動への影響も」
こうしたネガティブな情報が検索エンジンの上位表示されてしまった場合に、逆SEO対策が有効となります。
SEO対策との違い
SEO対策は、検索エンジンから特定のキーワードを検索した場合、Webサイトを上位表示させるための施策になります。
例えば自社サイトが検索結果の2ページ以降にある場合、多くのユーザーは1ページ目まで、もっと言えば1~3位程度までしか閲覧しないため、正しい情報を届けられなくなってしまう可能性があります。
これを防ぐためにSEO対策で上位表示を目指します。
SEO対策は特定のサイトを上位表示させることが目的となりますが、逆SEO対策は特定のサイトの順位を押し下げるために、他の複数サイトを検索上位に表示させることが目的となります。
一見似ていますが、目的が異なるため間違えないように注意してください。
逆SEO対策による効果
逆SEO対策を行うことで、特定のネガティブサイトの順位を押し下げることにより、風評被害の抑制を図ることができます。
風評被害を防ぐことでブランドのイメージ回復につながる場合もあります。
また、逆SEO対策で特定のネガティブサイトの順位を下げるために、自社サイトや自社が運営するオウンドメディアなどを制作し、検索順位を上げることになりますが、これによってSEO対策と同様に、検索上位によるアクセス数の増加やコンバージョンにつながる可能性もあるでしょう。
逆SEO対策の主な手法
逆SEO対策にはいくつかのアプローチがあり、状況や対象となる情報によって有効な手法は異なります。
重要なのは、検索エンジンの仕組みやガイドラインを理解した上で、合法かつ中長期的に効果が見込める方法を選ぶことです。
ここでは、逆SEO対策として代表的な3つの手法を紹介します。
複数サイトの検索順位を上げ、ネガティブサイトの順位を押し下げる
逆SEO対策で一般的なのが、自社や自分に関するポジティブ、または中立的なコンテンツの検索順位を上げることで、ネガティブなサイトを相対的に押し下げる方法です。
検索結果は上位ほど閲覧されやすいため、1ページ目に表示される情報の内容をコントロールすることが重要になります。
具体的には、公式サイトやブログ、オウンドメディア、SNSアカウント、プレスリリース掲載ページなど、複数の信頼性あるサイトを活用し、検索ニーズに沿ったコンテンツを継続的に発信します。
これにより、検索エンジンからの評価が高まり、ネガティブなページよりも上位に表示されやすくなります。
検索エンジンにコンテンツ削除を申請する
内容によっては、検索エンジンに対して検索結果からの削除や非表示を申請できるケースがあります。
例えば、個人情報の無断掲載、明らかな誹謗中傷、法令違反が疑われるコンテンツなどが該当します。
Googleなどの検索エンジンでは、専用フォームを通じて削除リクエストを受け付けており、ガイドラインに沿って審査が行われます。
申請が認められた場合、検索結果に表示されなくなり、逆SEO対策として即効性がある点が特徴です。
ただし、すべてのネガティブ情報が削除対象になるわけではなく、事実に基づく批評や正当な意見は原則として削除されません。
そのため、申請前に削除対象となるかどうかを慎重に見極める必要があります。
掲示板・サイトの運営者にコンテンツ削除を申請する
検索エンジンではなく、掲示板や口コミサイト、ニュースサイトなどの運営者に直接削除を依頼する方法もあります。
特に、利用規約やガイドラインに違反している投稿であれば、運営者側が削除に応じる可能性があります。
この手法では、感情的にならず、該当箇所や問題点を具体的に示した上で、冷静かつ丁寧に申請することが重要です。
場合によっては、弁護士を通じた正式な請求が有効となるケースもあります。
ただし、運営者の判断によっては削除に応じてもらえないことも多く、時間がかかる点や必ず成功するわけではない点を理解しておく必要があります。
そのため、他の逆SEO手法と併用しながら進めるのが一般的です。
ガイドライン違反となる逆SEOの手法
逆SEO対策は正しく行えば有効な施策ですが、手法を誤ると検索エンジンのガイドライン違反となり、自社サイトの順位下落やインデックス削除といった重大なペナルティを受ける可能性があります。
短期的な効果を狙った不正行為は、結果的に自社や個人の評価をさらに悪化させかねません。
ここでは、逆SEO対策として行うべきではない代表的な手法を解説します。
コピーサイトの大量作成
ネガティブなサイトを押し下げる目的で、同じ内容のサイトや類似コンテンツを大量に作成する行為は、検索エンジンのガイドラインに明確に違反します。
こうしたコピーサイトはユーザーに価値を提供せず、検索結果を不正に操作しようとする行為とみなされます。
検索エンジンは重複コンテンツや自動生成コンテンツを検出する仕組みを強化しており、発覚した場合は作成したサイト群だけでなく、関連するドメイン全体が評価を落とす可能性があります。
結果として、逆SEO対策どころか、公式サイトや正規コンテンツの検索順位まで下がるリスクがあるため注意が必要です。
低品質なサイトから被リンクを飛ばす
検索順位を操作する目的で、低品質なサイトやリンク集、スパムサイトから大量の被リンクを送る行為もガイドライン違反に該当します。
一見すると被リンクが増えるため効果があるように思えますが、検索エンジンはリンクの「量」ではなく「質」を重視しています。
不自然なリンクパターンが検出されると、リンク評価が無効化されるだけでなく、手動ペナルティの対象となることもあります。
特に、逆SEOを目的としてネガティブサイトにスパムリンクを送りつける手法は、悪質な行為と判断されやすく、リスクが非常に高い方法です。
DMCA申請の悪用
著作権侵害を理由に検索結果からの削除を求めるDMCA申請は、本来、正当な権利者を保護するための制度です。
しかし、実際には著作権侵害に該当しないコンテンツに対して虚偽の申請を行い、検索結果から排除しようとする悪用ケースも存在します。
虚偽や不正確なDMCA申請は、検索エンジンの信頼を損ねる行為であり、申請者側が不利益を被る可能性があります。
また、場合によっては法的トラブルに発展することもあるため、逆SEO対策として安易に利用すべき手法ではありません。
削除申請を行う際は、法的根拠や事実関係を十分に確認することが不可欠です。
逆SEO対策を行う上で押さえるべき注意点
逆SEO対策は、検索結果の印象を改善する有効な手段ですが、即効性のある魔法のような施策ではありません。
正しい理解のないまま進めると、時間やコストをかけたにもかかわらず十分な効果が得られないケースもあります。
ここでは、逆SEO対策を実施する前に必ず押さえておきたい重要な注意点を解説します。
効果が出るまで時間がかかる
逆SEO対策の多くは、検索エンジンからの評価を積み重ねていく中長期的な施策です。
新たに作成したコンテンツやサイトが検索結果に反映され、順位が安定するまでには、数ヶ月単位の時間がかかるのが一般的です。
そのため、「すぐにネガティブ情報を消したい」といった短期的な期待だけで取り組むと、施策途中で不安や焦りが生じやすくなります。
継続的な情報発信や改善を前提とし、長期視点で取り組む姿勢が逆SEO対策では欠かせません。
自社で行う場合は専門の知識・技術が必要
逆SEO対策を自社内で行う場合、SEOに関する基礎知識だけでなく、検索エンジンの評価基準やガイドライン、コンテンツ設計、サイト運営の知識が求められます。
誤った施策を行うと、意図せずガイドライン違反となり、検索順位の低下を招くリスクもあります。
また、検索順位の変動を継続的に監視し、状況に応じて施策を調整する運用体制も必要です。
社内に十分なリソースや専門性がない場合は、無理に内製化せず、専門業者や外部の知見を活用することも現実的な選択肢と言えるでしょう。
逆SEO対策は、検索結果に表示される情報の印象を整え、信頼やブランド価値を守るための重要な施策です。
ただし、短期的な効果を狙った不正な手法はガイドライン違反となるリスクが高く、かえって評価を下げる原因にもなります。
正しい手法を理解し、時間をかけて継続的に取り組むことが、逆SEO対策を成功させるためのポイントです。

















