SNSやネット掲示板、口コミサイトなどを通して、企業が誹謗中傷を受けてしまうケースは決して珍しくありません。
誹謗中傷を受けてしまった場合、企業側は風評被害によるイメージの損失や信用の低下につながってしまう場合があります。
誹謗中傷を受けた場合、迅速かつ適切な対応を取ることが重要です。
しかし、中には“やってはいけない対応”もあり、万が一対応を間違えてしまうとさらに被害が拡大するリスクもあるため、注意しなくてはなりません。
そこで今回は、誹謗中傷を受けた時にやってはいけない5つの対応や、正しい対応手順などを解説します。
誹謗中傷への対応を間違えると被害が拡大する理由
誹謗中傷への対応を間違えてしまった場合、さらに被害が拡大する恐れがあります。
その理由として燃料を投下してしまうことになり、新たな炎上につながる可能性があるためです。
例えば、SNSで誹謗中傷を受け、間違った対応をした場合、その対応について誹謗中傷を投稿した人物や全く関係のない第三者などから指摘されたり、拡散を加速させたりします。
そうなれば被害の範囲はどんどん大きくなり、収拾のつかないところまで行ってしまうかもしれません。
特にSNSは拡散性が非常に高く、一瞬にして世界中のユーザーまで拡散される可能性があることから、注意が必要です。
誹謗中傷を受けた時にやってはいけない対応
誹謗中傷を受けてしまった際、具体的にどのような対応をやってはいけないのでしょうか?
ここで、5つの間違った対応について紹介します。
1.感情的になって反論する
大切な自社ブランドや商品・サービスに対して、誹謗中傷を言われてしまった時、ついカッとなってしまう人も多いでしょう。
しかし、誹謗中傷を言われたからといって感情的になり、すぐに反論してしまうのはNG行為と言えます。
たとえ企業が被害者側だったとしても、感情的になって相手に攻撃をやり返してしまえば、こちら側も加害者となってしまいます。
また、企業アカウントなのに感情的な投稿をしてしまうと、企業の味方をしてくれている人を不安にさせてしまい、イメージダウンにつながる可能性もあるでしょう。
企業アカウントで冷静さを欠いた投稿はしないように心がけましょう。
2.投稿者に対して脅迫・侮辱する
誹謗中傷をしてきた投稿者に対して、脅迫めいた内容や相手を侮辱するような内容で返信した場合、第三者からするとこちらも加害者側に見られてしまう可能性が高いです。
例えば、相手に対して身体・精神などに危害を与えるといった内容は、脅迫罪に該当する恐れがあります。
また、返信内容が以下に当てはまると、侮辱罪に該当する可能性があるため注意が必要です。
- 事実を摘示していない
- 不特定または多数の人が直接認識できる状態にある
- 特定の人物に対して言っている
- 人格を蔑視する価値判断をしている
【具体例】
「お前って本当にバカだな」
「○○さん、頭悪いですね」
「あなたのような人間は日本からいなくなってください」 など
3.証拠を残さず削除依頼を出す
誹謗中傷を受けてしまった場合、ネガティブな情報が拡散されないようにと考え、すぐにサイトの運営者やプロバイダの管理者などに削除依頼を出す人もいます。
削除依頼を出すこと自体は正しいですが、いきなり削除依頼を出しても認められない可能性が高いです
削除依頼を行う際には、必ず客観的に削除した方がいい投稿であると判断できるように、証拠を残しておくことが重要となります。
また、すぐに証拠を残しておかないと、投稿者が問題の投稿を削除してしまい、後からその投稿を確認できなくなってしまいます。
そのため、いきなり削除申請を出すのではなく、まずは冷静になって証拠を残しておくことが重要です。
4.1人で抱え込み放置する
誹謗中傷を受けた際に、企業担当者はどうすることもできず、1人で抱え込んでしまうケースもあります。
1人で抱え込んだ結果、結局問題の投稿を放置してしまう場合もあるでしょう。
中には放置によって相手も飽きてしまい、自然と収まることもありますが、同じ相手から何度も誹謗中傷を受けていたり、他の人も同調して攻撃が広まっていたりする場合は、放置しない方が良いです。
また、誹謗中傷を放置してしまった場合、情報が拡散されていく中でまるで事実であるかのように捉えられてしまったり、誤った情報が広まったりする可能性もあります。
そうなると企業の社会的信用は大きく低下してしまうため、
5.個人情報を公開して反撃する
ネットは匿名性の高さからこうした誹謗中傷を受けてしまう場合もありますが、被害を受けた場合に発信者情報開示請求を行うことができます。
発信者情報開示請求は、プロバイダに該当するIPアドレスの所有者情報の公開を求める正式な手続きとなります。
そこで相手の個人情報を知ることになりますが、相手に対して開示請求で得た個人情報をわざとSNSに公開し、反撃するような行為はNGです。
もしも相手の個人情報を公開してしまった場合、相手から損害賠償請求をされたり、場合によっては名誉毀損罪などで刑事責任を問われたりする可能性があります。
相手に対して有利な情報を入手できたとしても、その情報を使って反撃するような行為はやめましょう。
誹謗中傷を受けた際の正しい対応手順
実際に誹謗中傷を受けてしまった場合、どのような流れで対応すれば良いのでしょうか?
ここで、正しい対応手順を紹介します。
証拠を保存する
SNSなどで企業に対する誹謗中傷の投稿が見つかった場合、まずは証拠を保存します。
投稿内容と投稿された日時、URL、投稿者名(ID)がすべて1つの画面に収まるようにスクリーンショットを撮りましょう。
スマホだと1つの画面に収まりきれないという場合には、パソコンからアクセスしてスクリーンショットを撮影するのがおすすめです。
また、誹謗中傷によっては事実か嘘か分からないようなことが書かれている場合もあります。
その内容については事実関係を確認し、相手の言っていることが正しいのか、それとも虚偽の内容なのかチェックすることが大切です。
事実関係によってはその後の対応が変わってくる場合もあります。
プラットフォームへ報告する
次に、プラットフォームへ該当の投稿を報告し、削除申請を行いましょう。
例えばXで誹謗中傷を受けた場合、投稿画面の「…」アイコンから「報告する」を選択肢、報告する対象と、問題の詳細について入力します。
それぞれのプラットフォームによってコミュニティガイドラインが設けられており、ガイドラインの内容に違反していると判断された場合、削除してもらえる可能性が高いです。
ただし、いくらプラットフォームに報告したとしても、すべて削除してもらえるわけではありません。
また、削除申請が通ったとしても、実際に削除されるまで時間がかかってしまうため注意してください。
専門家へ相談する
誹謗中傷を受けてしまった際には、専門家に相談してみましょう。
例えば、プラットフォームに削除申請を出しても通らない、投稿者を特定して損害賠償請求をしたいなど、法的手続きが必要になるケースでは弁護士への相談がおすすめです。
弁護士に相談すると費用はかかってしまうものの、多くの弁護士事務所では初回に無料相談を実施しているところもあるため、まずは相談してみるのも1つの方法と言えます。
また、誹謗中傷によって風評被害を受けてしまった際には、専門の対策会社に相談するのがおすすめです。
対策会社は問題の投稿が行われたサイト・プラットフォーム内だけでなく、検索エンジンでの検索結果やサジェストまで被害が及んでいる場合に逆SEO対策などで対応できます。
さらに、対策会社では再発防止や風評被害のリスクを最小限に抑えるための予防策などを、継続的に依頼することも可能です。
誹謗中傷の被害を拡大させないためにも、豊富な実績を持つ専門家に相談してみましょう。
誹謗中傷を受けてしまった場合、つい焦ってしまうかもしれませんが、一度心を落ち着かせることが大切です。
それからすぐに証拠を保存し、削除申請や専門家に相談して正しい対応を取っていきます。
企業の信頼やイメージを守るためにも、上記の対応に注意して的確な対応をしていきましょう。

















