誹謗中傷は、相手となる個人や企業に対しての名誉を傷つけることを言います。
このような行為をされてしまった場合、心が傷ついたり落ち込んだりするのは当然でしょう。
それに伴い、このような誹謗中傷を受けないための対策も考えなくてはなりません。
ここでは、誹謗中傷とは何かに加えて対策や企業が意識したいポイントについて解説します。

誹謗中傷対策とは?

そもそも、誹謗中傷とは法律的な概念のあるものではなく、一般的にはSNSなどのネット上で相手を悪く言ったり罵ったり、傷つけたりした際に使用される言葉です。
悪意のある言葉に加えて、根拠のない批判をした場合も誹謗中傷に該当します。
「誹謗」には、相手を悪く言うことが該当し、「中傷」には事実に関係ないことを発言して社会的地位や名誉を損なうこととなります。
根拠のない噂やデマも該当するということです。
例えば、「あいつはブスだから世の中から消えても平和になるだけだ」、「あいつの頭の中はやばいから絶対来年には犯罪者の仲間入りしているはず」、「実は芸能人の○○は覚せい剤の売人だから今テレビに出られない」などが該当します。
このような内容に根拠がない、確認できる情報がない、事実無根という場合が誹謗中傷に該当し、相手の名誉を傷つけたことで法的責任を問われる可能性もあります。
このような事態から、自分の身を守るために行いたいのが誹謗中傷対策であり、SNSやインターネットにおける名誉棄損、プライバシー侵害、侮辱などからの被害を防いで対応する必要があります。

SNSなどを中心に誹謗中傷の投稿は増えている

総務省のプラットフォームサービスに関する研究会にて、三菱総合研究所が「インターネット上の違法・有害情報に関する流通実態アンケート調査」の結果を資料として公開しました。
この調査で「他人を傷つけるような投稿(誹謗中傷)を見たことがありますか。」という質問に対し、「見たことがある」と回答した人は65.0%と半数以上に上っていることがわかっています。
また、「見たことがある」と回答した人に、その投稿をどこで見たかを尋ねたところ、「X(旧Twitter)」と回答した人が66.0%、次いで「YouTube」が27.6%、「Yahoo!コメント(ニュース)」が21.5%という結果になりました。
X以外のSNS(InstagramやFacebook、TikTokなど)でも一定数誹謗中傷を目撃したことがあると回答した人がいたため、SNSは特に誹謗中傷の投稿が見つかる可能性が高いと言えます。

参考:三菱総合研究所 モビリティ・通信事業本部 デジタルメディア・データ戦略グループ「インターネット上の違法・有害情報に関する流通実態アンケート調査【誹謗中傷等】

どんな手法がある?

誹謗中傷を受けた、または受ける前に対策したいというケースもあるでしょう。
ここでは、誹謗中傷対策としてどのような手法があるかを解説していきます。

自分でできること

まず、誹謗中傷を受けた場合、自分ですぐ取り組める対策があります。
SNSなどで誹謗中傷を受けた場合、被害者側が言い返したり反応を見せたりすると相手がエスカレートしてしまう場合があります。
悔しいと思うかもしれませんが、このような場合は自分自身を守るために相手の投稿を見ないためのブロック機能や自分のタイムラインで相手の投稿を表示させないミュート機能などを使いましょう。
ただし、自分の身の危険を感じるような悪意のある投稿が確認される場合は、他の対応も検討してください。
そして、これらの投稿は適切に対応するために証拠として保存することがポイントです。
投稿された内容をスクリーンショットで保存し、日時やアカウント名が分かるように残しておきます。
証拠として保存すれば、万が一投稿が削除されても証拠として残しておくことができます。

誹謗中傷ホットラインなどの関係機関

誹謗中傷ホットラインとは、インターネット企業の有志が運営しています。
ネット上にある誹謗中傷に対して、サイトに記載されている利用規約に沿った方法で対応を促す通知を行ってくれます。
誹謗中傷に関する情報として氏名、Eメールアドレスなどを記入する必要があり、誹謗中傷された内容や投稿などの情報を記入して送信します。
利用時には、該当の投稿のスクリーンショット、該当の投稿の投稿日時、該当の投稿のURLが必要です。
他にも総務省委託事業の違法・有害情報相談センターでは、名誉棄損やプライバシー侵害などが確認された際にインターネットに関する専門知識を持つ相談員が相談者に対して削除対応の方法をアドバイスしてくれます。
法務省の人権相談でも、インターネット上の誹謗中傷に対しての人権相談などを受け付けていて、法務局が内容に応じてプロバイダなどへ削除要請を行う場合もあります。
国内外関係なく、対象サイトの対しての削除要請通知を送信してくれるので、自分で判断できない場合に活用してみてください。

各サイトへの削除依頼

誹謗中傷対策として、該当する投稿をされた場合は各サイトに削除依頼を要請しましょう。
誹謗中傷に該当する事実無根な書き込み、悪意のある投稿に関して削除依頼をする場合、サーバの管理者に依頼する方法、ドメイン代行取得者に依頼する方法、投稿者に対して直接削除させる方法があります。
最も一般的なのはサーバの管理者に依頼する方法で、サーバ管理者を特定して誹謗中傷や名誉棄損に該当する記事を証拠として用意し、自社の印鑑証明書、登記簿謄本、弁護士宛ての委任状など関連資料を準備します。
これらの書類を内容証明郵便でサーバ管理者宛てに送付し、管理者から書き込んだ人に対して意見を聞いてもらい、削除するかどうかを判断する流れです。
もし、ここで削除とならない場合は裁判などで削除を求めることもできます。

警察への通報や相談

掲示板などの書き込みについて、外部的名誉の低下や社会的信用を失った場合、警察への通報や相談でも対応してもらえます。
情報流通プラットフォーム対処法により、削除の申し立てを行います。
警察へ相談する際には、本人や弁護士などの代理人が請求することもできますが、必ず発信者の氏名、住所、電話番号、Eメールアドレスなどの開示請求に必要な情報を用意しなければなりません。

専門業者への依頼

誹謗中傷された場合、専門業者に依頼して対策を取ることも可能です。
特に企業の場合は、誹謗中傷の内容によっては放置することで企業のイメージダウンだけでなく、株価の下落や売上減少などを引き起こす可能性が高いです。
完全に誹謗中傷を無くすのは難しいかもしれませんが、専門的な知識やノウハウを持つ業者への依頼によって損害を最小限にするだけでなく、今後も誹謗中傷を受けにくい体制を保つことができます。
被害が拡大してきた、再発防止をしたい、自社での対策で効果を感じないという場合は、専門的なノウハウのある業者への依頼が適しているでしょう。

技術的対策 / 法的対策の違い

誹謗中傷対策では、技術的対策 と法的対策では効果を感じる点が異なります。
ここでは、技術的対策 と法的対策の違いについて解説します。

技術的対策

技術的な対策では、企業の体制として誹謗中傷を社員全員に意識させる必要があります。
そこでポイントになるのがガイドラインの策定と共有です。
企業で技術的な取り組みとしてできるのは、従業員全員にSNSの利用や意識について学ぶ機会を持たせることです。
従業員が遵守すべきSNSの利用方法や明確なルールを作ることで、社内の機密情報の漏えい、個人情報の保護などができます。
定期的な研修なども重要なので、常にSNSリテラシーの重視や向上させることで内部リスクの減少が期待できます。

・定期的な監視体制構築
誹謗中傷を完全に防ぐことは難しいですが、早期発見によって被害を最小限にできます。
定期的に自社の商品、サービス、役員名などを定期的に検索し、監視することで誹謗中傷を早めに見つけられます。
しかし、見つけるだけでは誹謗中傷が解消できないので、問題の投稿を見つけた場合にどのような手段を取るかを決めておく必要があります。

・専門業者への依頼
専門業者へ依頼することで、誹謗中傷対策となる対応を技術的にサポートしてもらえます。
専門業者なら、SNS対策、風評被害なども含めた監視体制やSEO対策などを行ってくれるので、ニーズに合わせた対策ができます。

法的対策

法的対策では、基本的に書き込みの削除要請、発信者情報の開示、損害賠償請求、刑事告訴などができます。
刑法上の誹謗中傷の定義は、名誉棄損罪や侮辱罪に該当する場合にできるもので、弁護士に依頼してから行うことになります。
また民事上の誹謗中傷では、きちんとした定義がないので名誉権の侵害、名誉感情の侵害などを訴えた対策になります。
特に名誉感情の侵害については民事特有の考え方によって、刑事上の罪よりも幅広く対応できる可能性があります。
どちらも法律や侵害された内容などによって対策できるものです。

企業が注意すべきポイント

誹謗中傷は個人を対象にしたものもあれば、企業が標的になることもあります。
企業がこのような対象になった場合、いくら虚偽の情報だとしても対応が遅れたことで被害が拡大する恐れがあるので、できるだけ早めに対処しなければなりません。
ここでは、企業が注意すべきポイントについて解説します。

請求によって早急な削除を目指す

企業の場合、イメージやサービスなどに関する誹謗中傷を受けたことで売り上げや株価にダメージが伝わりやすいです。
そのため、企業が誹謗中傷を受けた場合はできるだけ早く削除請求や新車情報の開示、存在賠償請求などを行うことが重要です。
いちいち気にしていられないと考えるかもしれませんが、虚偽の内容が拡散されて炎上してしまうと取り返しのつかない事態になる可能性も考えられます。
企業で事実上の損害を被った場合は賠償金問題にも発展するため、できるだけ早めの削除を目指してクリーンな状態を意識しましょう。

事前の対策がカギとなる

企業はできるだけ誹謗中傷を受ける前に対策を取るようにしましょう。
事前の対策を取ることで、誹謗中傷を受ける前に対応できるだけでなく、対処コストや期間を短縮することができるからです。
特に初動が重要なので、日頃から対策を取っておくと慌てることも少ないでしょう。
誹謗中傷対策、SEO対策、サジェスト対策などを専門的に行っている業者への依頼によって会社は評価を維持することができ、早期のうちに誹謗中傷ワードの削除もできるので事前に業者への依頼を検討しておきましょう。

ここまで誹謗中傷対策が何かに加えて、手法などを解説してきました。
誹謗中傷は、名誉棄損、プライバシー侵害、侮辱などに該当し、自身で削除要請を出すこともできますが、誹謗中傷ホットラインなどを利用してサポートを受けながら手続きすることもできます。
各サイトへの削除依頼も可能ですが、警察に相談して解決法を探ることも可能です。
しかし、これらの方法はどれもスピード感を持たなければ誹謗中傷が悪化する可能性があるので、できるだけ早めに対策を講じる必要があるでしょう。
特に企業の場合は専門業者への依頼で被害を受ける前の対策が必要であり、企業ブランドを守るためにも求められます。
この機会に、誹謗中傷対策について見直してみてはいかがでしょうか。