企業の評判はSNSや口コミサイト、検索エンジンなどを通じて瞬時に広がるようになりました。
ひとたび風評被害が発生すると、売上の低下や問い合わせの減少、採用活動への悪影響など、企業経営に様々な影響を及ぼす可能性があります。
一方で、風評被害を乗り越え、企業の信頼回復につなげた事例も少なくありません。
重要なのは、他社の事例を参考にしながら、自社に合った対策を継続的に実施することです。
本記事では、実際に炎上した他社の事例を紹介するとともに、他社事例から学べる改善ポイントを紹介します。
風評対策・炎上対策を行いたいものの、具体的にどのような対策を取るべきか分からないという方は、ぜひ参考にしてください。

実際に炎上した他社の事例

企業の規模や業種に関係なく、様々な理由で多くの企業がこれまで炎上してきました。
実際にSNSで炎上した事例をいくつか紹介します。

広告での女性の容姿に関する炎上

あるブランドが国際ガールズデーに合わせて、女性の容姿に関する広告を打ちました。
キャッチコピーとして「カワイイに正解はない」と謳いながらも、広告には「Eライン」「中顔面6.5cm」など、美容整形の分野でも用いられる専門用語が並んでいたのです。
この広告を見たユーザーは、美の基準を強調しており、ルッキズムを助長させるものだという批判が相次ぎ、炎上しました。
ブランドの運営元は、こうした美の基準を否定したかったと釈明しましたが、ユーザーはその意図を読み解くことができず、誤ったメッセージが伝わった形となります。

ユーザー投稿へのネガティブな発言に対する炎上

ある家電メーカーの公式SNSアカウントは、一般ユーザーが投稿した調理家電を使ったレシピを引用して紹介していました。
しかし、引用して紹介する際に考案者に言及せず、さらに「限界飯」「まずまずうまい」などのネガティブな表現を使っていたのです。
自社が考案したレシピではなく、ユーザーが投稿したレシピに対してこのようなネガティブな表現を使っていたため、投稿者に失礼だと批判され炎上しました。
また、炎上後に公式アカウントは謝罪を投稿したものの、その中で「今後広告企画には私は関わらない」という旨を投稿したことから、公式アカウントとしての自覚がない、個人の発言だと勘違いしているなどの疑問が多数上がり、さらなる炎上を招いています。

従業員の守秘義務違反による炎上

あるホテル内の飲食店で働いていたスタッフが、有名人が来店した旨をSNSに投稿しました。
この投稿は瞬く間に話題となり、広く拡散されていきましたが、投稿を見た人の中には個人情報の漏えいではないかとの批判も起き、ネット上ではそのスタッフの本名や顔写真、出身校、店舗名などが特定されてしまいます。
このスタッフが働いていた飲食店が入るホテルにも投稿内容を指摘する電話があったことから、ネットで炎上していることが判明し、本人に事情を確認したところ投稿した事実を認めています。
その後、ホテル側はただちに当該の有名人に対して謝罪し、ホテルのホームページにも総支配人名義で謝罪文が掲載されました。

不当な扱いと初動対応の悪手で炎上

あるテーマパークで、チケット売り場のスタッフが年間パスポートで来場した家族に対し、子ども用のチケットで入場しようとしていたとして、差額の支払いを求めました。
また、過去にも子ども用チケットで入場したことがあるのではないかとも疑われてしまいます。
家族連れで訪れていた来場者をその場で長時間待たせ、その後スタッフの間違いであることが発覚したのに、詳しい説明や謝罪がなかったため、被害を受けた来場者は一連の流れをSNSに投稿し炎上につながっています。
その後、社長自らその来場者に対してDMを送ったものの、「問題提起ありがとうございます」など謝罪として不適切に思える内容が記載されていたことから、DMを受けた来場者はメッセージのスクリーンショットを撮影し、SNSで公開したことからさらなる批判を集めることとなりました。
社長自らが対応するのは間違ってはいないものの、迅速に対応しようとした結果、炎上を煽る形となってしまったのです。

風評対策の他社事例から学ぶ改善ポイント

風評被害への対応方法によって、その後の企業の信頼回復やブランドイメージは大きく変わります。
ここでは、様々な炎上事例から学べる改善ポイントを紹介します。

迅速な事実確認と正しい情報の発信

風評被害が発生した際は、まず事実関係を正確に把握することが最優先です。
SNSや口コミで話題になっている内容が事実なのか、それとも誤解やデマなのかを確認し、関係部署と連携しながら状況を整理しましょう。
その上で、事実に基づいた情報を公式サイトやSNSなどを通じて速やかに発信することが重要です。
実際に、ある食品会社の商品に「虫が混入していた」という投稿があり、その直後に会社から製造過程での異物混入は考えられないという旨の公式声明を発表しましたが、外部調査から生産工程で混入した可能性が高いとして、生産中止と自主回収が行われました。
企業が早期に情報を発信することは大切ですが、十分な事実確認ができていない状態で情報を発信してしまうと、さらなる炎上につながってしまう恐れがあります。

誠実な謝罪と説明

企業側に原因や不備がある場合は、責任を曖昧にせず、誠実に謝罪と説明を行うことが大切です。
事実を隠したり責任転嫁をしたりすると、利用者や取引先からの信頼をさらに失う恐れがあるでしょう。
謝罪では、問題が発生した経緯だけでなく、原因や再発防止策についても具体的に説明することが重要です。
利用者が知りたい情報をわかりやすく伝えることで、企業として真摯に問題へ向き合う姿勢を示せます。
また、状況に応じて進捗を継続的に発信することも、安心感につながります。

SNS運用ルール・社内体制の見直し

他社の炎上事例では、従業員による不適切なSNS投稿や、企業アカウントの運用ミスが原因となるケースも少なくありません。
そのため、風評被害を未然に防ぐには、SNS運用ルールや社内体制を定期的に見直すことが重要です。
例えば、投稿前の確認フローを整備したり、SNS担当者の役割を明確にしたりすることで、ヒューマンエラーを防ぎやすくなります。
また、従業員向けのSNS研修を実施し、情報管理やコンプライアンスに関する意識を高めることも有効です。
日頃からリスク管理体制を整えておくことで、万が一トラブルが発生した場合でも落ち着いて対応できます。

SEO・AIOを意識した情報発信の強化

近年は、検索エンジンだけでなく生成AIによる検索・情報提供が普及し、企業の公式情報がこれまで以上に重要になっています。
そのため、他社事例でも、自社サイトやオウンドメディアを充実させ、信頼性の高い情報を継続的に発信している企業ほど、ブランドイメージの維持・回復につながる傾向があります。
具体的には、企業情報やサービス内容、取り組み、プレスリリースなどを定期的に更新するとともに、専門性や実績が伝わるコンテンツを充実させることが重要です。
SEOによって検索結果で公式情報が見つけられやすくなるだけでなく、AIが信頼できる情報源として参照しやすくなる可能性もあります。
風評対策はネガティブな情報への対応だけでなく、信頼できる情報を積み重ねる取り組みも欠かせません。

 

風評被害は、どの企業にも起こり得るリスクですが、他社事例から対応のポイントを学ぶことで、被害の拡大を防ぎやすくなります。
重要なのは、迅速な事実確認と正確な情報発信、誠実な説明、SNS運用体制の整備、そしてSEO・AIOを意識した継続的な情報発信です。
また、日頃から自社のリスクを把握し、モニタリングや対応マニュアルの整備を進めておくことも欠かせません。
他社の成功・失敗事例を自社の改善に活かし、継続的な風評対策によって企業やブランドの信頼を守っていきましょう。