近年、Webを活用した集客は企業にとって欠かせないものとなっています。
しかし、Web上の風評被害によって顧客離れや売上の低下など、あらゆるリスクを受ける企業も増えています。
風評被害を放置してしまえば大きな問題へと発展する可能性もあるため、素早い対応が不可欠です。
そこで今回は、企業のリスク管理の1つでもある風評対策の進め方について解説していきます。
企業成長のためにも重要なポイントなので、ぜひ参考にしてみてください。

風評対策の進め方

風評被害から企業を守るためにも、対策について理解する必要があります。
ここでは、風評対策の効果的な進め方を解説していきます。
万が一に備えるために役立ててみてください。

①現状把握・リスクの洗い出し

まずは、自社がどんな攻撃を受けやすいのか、どのプラットフォームを使って話題になりやすいのか分析していきます。
例えば、過去事例を分析する方法です。
自社や同業他社で過去に炎上した事例をリストアップすることで、どんな問題が発生しやすいのかを把握できます。
その際には、炎上が起きやすいメディアもピックアップしましょう。
例えば、公式SNSを運用している場合はそこが発端となって炎上が起こる可能性があります。
その他、従業員個人のSNSが、リスクとなって炎上を招く危険性があります。
上記の場合は、従業員向けのSNS利用規約策定や教育プログラムの実施などの対策を取ることで、不適切な投稿を防ぐために役立ちます。

②モニタリング

炎上の火種を見逃さないようにネットを監視し、リスクを早期発見することをモニタリングと言います。
会社名やサービス名、商品名や経営者の名前などを監視対象にし、SNS監視専用のツールやGoogleアラートを活用して常時チェックしていきます。
監視範囲は、XやInstagramといったSNSのほか、掲示板やブログ、口コミサイトやGoogleマップ、検索エンジンなどです。
自社で実施する場合には、専門の部署を作った方が業務に集中できます。
ただし、人材不足や採用が難しい場合には専門の業者への依頼もおすすめです。
24時間体制で監視してくれ、炎上の火種となる投稿を見つけた際には早期対処を実施してくれる業者を選べば大きな被害を防ぐために役立ちます。

③事実確認や被害の把握

万が一ネガティブな書き込みによって炎上が発生したら、感情的にならずに冷静に対処することが肝心です。
まずは情報の特定を行い、URLや投稿された日時、アカウント情報などをスクリーンショットで保存します。
その後は、事実確認を行いましょう。
書き込みされた内容が事実なのか根拠のない誹謗中傷なのか、関係する部署にヒアリングをし、確認してください。
もし、事実であることがわかれば速やかな謝罪や原因究明、再発防止策の公表が必要です。
放置すれば問題が大きくなる可能性があるため注意しましょう。

④削除依頼・法的措置

事実無根の書き込みや誹謗中傷だと判明したら、削除依頼へと進みます。
依頼は、サイトの管理者への通報や送信防止措置の申請が基本です。
SNSや掲示板には、「報告」や「削除依頼」といったフォームがあるため、活用することで申請できます。
フォームがない場合には送信防止措置依頼書をメールや郵送で送ります。
その際には、誹謗中傷が掲載されているサイトのURLや削除して欲しい箇所、侵害されている権利やその理由などを詳しく記載しましょう。
自社のみで対処できない場合には、専門家への依頼もおすすめです。
弁護士であれば、名誉毀損や業務妨害罪といった違法性を判断して、削除依頼や法的措置を検討してくれます。
悪質な場合には、警察への通報や民事訴訟のサポートも行ってくれます。

⑤検索結果改善

検索結果にネガティブな情報が出続ければ企業は悪影響を受け続けることになります。
売上の低迷や採用難など、あらゆる問題が続けば企業継続にも影響を与えます。
リスクを抑えるためにも、検索結果改善策を進めていきましょう。
主な方法は以下の通りです。

・逆SEO対策
ネガティブサイトの順位を落とすための対策です。
具体的には、関連性の高いポジティブなサイトを複数作成してターゲットとなるキーワードで上位表示を狙います。
また、公式サイトやブログ、SNSといったコンテンツを充実させて評価を高める方法もあります。
ただし、悪質なスパム行為はGoogleのペナルティ対象となるので避けてください。

・サジェスト対策
GoogleやYahoo!の検索窓にキーワードを入力した際に表示される検索候補を最適化して、企業や商品、サービスに対するネガティブな検索ワードを非表示にしたり、ポジティブなキーワードを表示させたりしてイメージ向上を図る施策がサジェスト対策です。
具体的には、GoogleやYahoo!に対して削除依頼をするほか、ポジティブな情報発信による埋め立てです。
削除依頼では、明確な違反行為があれば削除が認められやすいです。
埋め立てでは、企業名や商品名と共にポジティブなキーワードで検索される回数を増やすために、公式サイトやプレスリリース、ブログなどを活用して、良好なイメージのコンテンツを定期的にアップし、ネガティブな検索候補を押し出していきます。

⑥情報発信・評判管理

自社に対するポジティブなイメージを作るための対策です。
例えばオウンドメディアの構築が当てはまります。
オウンドメディアとは、企業で保有・運営をするメディアの総称で、ブログやメルマガ、公式SNSアカウントなどが当てはまります。
ユーザーに対して有益な情報を発信することで、信頼を獲得できる仕組みです。
具体的には、企業名やブランド名、評判や口コミ、面接など、検索されやすいキーワードを含めたコンテンツを作成し、関連性の高いページ同士をリンクでつなぎ、検索エンジンが内容を理解しやすい構造にする必要があります。
知識が乏しい場合には、運用の代行を専門の会社に依頼することも可能です。
また、指名検索に強いコンテンツ作りも重要となります。
指名検索とは、ユーザーが企業名や商品名など、特定の固有名詞を検索エンジンに入力して検索することです。
指名検索に強いコンテンツ作りの具体策としては、業界の役立つ知識やノウハウなどをブログで公開するほか、ニュースサイトへの露出やインタビュー記事などを増やすことが挙げられます。
社名や商品名で検索した際に最初にポジティブな情報が多く目に入れば信頼感アップやコンバージョン率アップにつながります。

風評対策のポイント

風評対策に失敗すると、二次被害を招く危険性があります。
リスクを増やさないためにも、風評対策のポイントとなる注意点を解説していきます。

感情的にならない

批判的な書き込みを見つけると、言い返したくなる気持ちになる方もいます。
しかし、感情的に反論する行為は最も危険です。
相手を刺激し、さらに執拗な攻撃を招くほか、新たな悪評を生む可能性があります。
あくまでも冷静に対処することが大切です。

ステマに注意する

自社の評判を上げようと社員や業者が利用者を装って口コミを自作自演する行為は避けましょう。
これらはステマと呼ばれ、景品表示法違反の規制対象です。
もし、インフルエンサーや社員を活用して商品に関する情報を発信する場合には「#PR」や「広告」などの表記が必須となります。
その際には、ガイドラインを事前に作成してSNS投稿時のルールを徹底するようにしましょう。

初動対応の重要性

悪質な口コミやネガティブな情報を見つけた時「放っておけばいつか消える」と考える方もいます。
しかし、例え事実無根の情報だとしても放置することでそれが事実として定着する可能性があり、SNSでの拡散やまとめサイトへの転載など、事態の収拾がつかない結果につながる可能性があります。
炎上の火種となる投稿があった際にはすぐに事実確認を行い、「事実ではない」ことを公表することが大切です。
事実確認の初動対応は72時間以内が目安と言われています。
素早い行動をするためにも、モニタリング体制を整えることが重要です。

悪質な業者に注意する

風評被害が発生した時や炎上が起きた時など、自社での対策が難しければ専門の業者への相談を検討する企業も多いはずです。
しかし、中には悪質な業者も存在します。

・弁護士資格のない業者が報酬を得て削除交渉を行っている
・不正な手法で検索順位の操作を行う
・高額な契約料を前払いで要求したにも関わらず、結果が出ない業者
・「必ず削除できる」と過剰主張する業者

上記のような業者には注意してください。
これまでの実績を確認し、口コミやSNSでの反応も見ながら自社に合う業者を探しましょう。

風評被害は急速に広がるので初動対応が肝心です。
どういった流れで対策をするのか最初に理解しておくことで、初動遅れを防ぐことができます。
また、中には複雑な手続きが必要な対策方法もあります。
その場合は、専門家への相談を検討して早期解決を目指していきましょう。
今回ご紹介した情報を参考に風評対策を理解し、実際の対応へとつなげてみてください。