ブランド戦略を実施しても、顧客のことを考えていなかったことで大きな失敗を引き起こす可能性があります。
これは企業規模に関係なく、どんな大企業でも失敗した事例があり、これらを知っておくことで成功への道に気が付くケースもあるのです。
そこで、この記事ではブランド戦略の失敗事例に加え、学ぶべきポイントについて解説します。
どんな企業でも失敗することがある!過去の失敗事例を紹介
ブランド戦略を成功させるつもりで実施した内容が、実は失敗だったというケースも存在します。
それは、企業の規模に関係なく起こっているのが現状です。
過去のブランド戦略が失敗したケースを紹介します。
トロピカーナ
アメリカで誕生したオレンジジュース「トロピカーナ」は、日本でも昔から人気のジュースです。
1991年に日本で販売されて以降、現在も愛されている商品ですが、実は過去にブランド戦略が失敗した経験があります。
それは2009年に行ったパッケージデザインの変更です。
トロピカーナの商品には、オレンジにストローをそのまま刺した写真が印象的であり、そのパッケージこそがトロピカーナの象徴でした。
しかし、パッケージ変更の際に商品の象徴であったオレンジの画像をなくしてシンプルなものに変更します。
結果的に、消費者はトロピカーナのオレンジジュースであるという認識がなくなり、1ヶ月で20%の売上減少につながったのです。
オレンジに直接ストローが刺さったパッケージ=トロピカーナというイメージが失われただけでなく、新しいパッケージで印刷されたコップにオレンジジュースが注がれた写真は新鮮さを感じられなくなった結果、売上の減少につながったのではないかという見解もあります。
消費者が何を求めているか、商品を何で認識しているかというのを理解できなかったことがきっかけと考えられています。
コカ・コーラ
アメリカで誕生したコカ・コーラは、長年コーラ業界においてトップを走り続けてきた飲料です。
1886年にアメリカで発明された飲料であり、日本での人気も高く現在に至るまで愛され続けています。
しかし、1970年代後半にペプシとの競争があり、両者の差が僅差になってきました。
1981年に新たなCEOがコカ・コーラ社に就任した際、差別化を図ろうと新しいコカ・コーラの味の開発が行われました。
そして、1985年に「長年愛された味を変える」という、とても大胆なリブランディングを行ったのです。
新しいコカ・コーラの味はマーケティングリサーチでも評価が高かったこともあり、その結果から伝統的なコカ・コーラの味を変えるという判断となりました。
実際に新コカ・コーラが発売された当初は、その新しくなった味を求める人が多く売上も悪くなかったのですが、伝統的な味の切り替えへの反発が少し遅れてやってきたのです。
日が過ぎるごとに前のコカ・コーラを求める愛好者の不満が高まっていき、次第に会社への苦情や抗議が殺到する事態にまで発展しました。
この事態をきっかけに、新コカ・コーラの売上も急減したことで過ちを認め、謝罪する結果となります。
その後、伝統的なコカ・コーラは「コカ・コーラクラシック」として登場し、騒動はようやく鎮静化しました。
消費者が求めている味はペプシコーラと比べるものではなく、いつものコカ・コーラの味だったということです。
GAP
アメリカのアパレルブランドであるGAPは、1994年に日本法人が誕生し、翌年には第1号店が東京で開業して以降、全国に店舗を構える定番ブランドです。
ネイビーの四角の中に白の文字で「GAP」と記されているのがブランドロゴである認識を持っている方がほとんどですが、過去にリブランディングを行って定番のロゴが変わった時期がありました。
2010年にこれまでGAPの定番だった、ネイビーの四角の中に白の文字で「GAP」と書かれたものが、突如黒文字の「GAP」とグラデーションの小さな四角のデザインに変更となったのです。
本来であれば、ロゴのリニューアルで受け止められたかもしれませんが、この時はSNSでの批判が殺到し、「#gaplogo」というハッシュタグまでできてしまうほどの騒動になりました。
企業としては、リニューアルのつもりで変更したかもしれませんし、決して採用されたデザインやフォントがおかしいというものではありません。
実際に新しいデザインに採用されたフォントは、トヨタやマイクロソフトなどのロゴでも使用された字体です。
しかし、消費者にとっては単純なロゴという印象ではなく、感情的なつながりを感じていたからこそ大きな反発につながったと考えられます。
なぜブランド戦略が失敗となった?原因は?
上記で紹介したように、企業が実施したブランド戦略が結果的に大失敗になってしまうケースが存在します。
これは、企業規模に関係なく起こりうる事態であり、内容によっては企業の信用を失う可能性も高いです。
これまでの失敗事例を参考に、なぜこのような事態になったのか、原因について考えてみましょう。
調査不足
ブランド戦略が失敗する可能性として、顧客に対しての調査不足が大きく関係しているでしょう。
本来であれば、ブランド変更の際には十分に顧客リサーチを実施する必要があり、社内だけの判断で意思決定するのは避けた方が望ましいです。
調査不足だったことで、これまでの失敗が起こっている可能性が高いでしょう。
市場の環境変化を意識しない
ブランド戦略が失敗するのは、市場の環境変化に対する気配りが不足している可能性があります。
あまりに過去に固執してしまった結果、環境変化に乗り遅れてしまい、最終的に時代に合っていないというケースもあるのです。
ブランドの一貫性がぶれている
長年親しまれてきたブランドを資産として考える意識が弱くなった場合、消費者との信頼関係が変わってしまい、最終的にブランドらしさや一貫性がブレてしまうことがあります。
特にパッケージやロゴの変更は、慎重に行わなければブランド戦略そのものの失敗になってしまいます。
表面だけの変更
企業が抱えている根本的な問題や課題に向き合うことなく、表面や見た目だけの変更を安易に実施してしまうとブランド戦略が失敗します。
ブランドの本質に向き合って考えなくては、ブランドの存在そのものが曖昧になってしまうでしょう。
ブランド戦略で学ぶべき点は?
ブランド戦略で失敗ではなく成功したい場合は、以下のポイントについて押さえておきましょう。
強みについて理解する
ブランド戦略を成功させるには、自社の強みを理解して活かす必要があります。
そのためには、強みが何かを理解するだけでなく消費者が求めるものや価値についても把握して考えなくてはなりません。
自社分析を行わないと成功することは難しいでしょう。
成果を長期的に考える
短期間でのブランド戦略を目指す場合は、失敗する可能性が高まります。
消費者からの信頼を得るには、長い期間継続的な評価が求められるだけでなく、安定した経営を目指すためにも必要です。
短期的なブランド戦略で転換するのではなく、長期的な視野で続けていくことがポイントです。
ブランド戦略は、消費者の視点や気持ちを置いたまま進めてしまうと、結果的に失敗する可能性が高くなります。
失敗した場合、その後消費者の信頼を失ってしまうと大きな問題となるので、できる限り消費者視点での意見も取り入れる必要があるでしょう。
そして、ブランディングでは成果が短期的なものではなく、長期的な視野で考えなくてはなりません。
時間をかけて目標に向けていくことを忘れずに取り組んでみましょう。

















